

本業にて学校での授業も増えてきた中、生徒さんたちからの質問の一つ。「プロになるために何をやっていましたか?」というもの。これにはズバッと回答させていただきましたが、あっ、これってうちの生徒たちにも聞かれることと似ているなぁ、と。
「(空手道を)うまくなるためには、どうしたらいいですか?」
数十年前であれば「量稽古」と回答していたでしょう。もちろんそれも間違いにはならないと思いますが、今の子供たちを取り巻く環境の変化を踏まえた育成が大切とも考えています。
そう…「質を高めること」
ここ最近、生徒たち自ら「うまくなりたい」「試合に勝ちたい」と言葉で発しています。素晴らしいことです。そんな中、どうしても上手な子と自分を比較してしまう状況も。
「〇〇ちゃんが上手なのは、いっぱい練習しているからだよね。」
はい、違います。
●治す点、先生から注意されたことを「忘れない」
●その治すところを自主練で補っている
●次の稽古までに少しでもできるようになっている
●何より普段の稽古にとことん本気である
「できた」「練習した」とは、他から見て少しでも変化が感じられてのもの。「やりました」は通用しません。それを誠道館の親さんたちもきちんと理解していますから誇らしいです。
武道は、その技術だけでなく社会性も身に着ける場所です。先代の細川師範から、よく話を聞かされていました。自分の姿を知ることがとても大切なんです。

母親という身でもある私自身。南天のように真っ赤な情熱をもって生徒たちと向き合いつつ、氷柱のように強く光る誠道館であり続けたい。
個人の価値観が益々多様化する時代に、困難を乗り超え、くじけず諦めず逞しい心で突き進める生徒たちを、空手道を通じて育成できたらと思います。